カブトムシの賑やかな余生
七月半ばあたりから我が家の♀と野外産の♂とでカブトムシの卵を取ろうとしていましたが失敗だったので、最後の手段に出ました。
少し小さい容器で室温が28~29℃程の洗面所に置いていたので、産んだ卵が腐敗してしまったのかもしれません。
我が家のカブトムシ達も、毎日のように死者が出る程ヨボヨボで現在28頭。
いよいよ当初の半分になってしまい、早期羽化組は大体みんな死んでしまったかなという感じです。
老い先短いカブトムシ達に何とか血を絶やさない程に子孫を残してもらいたい……。(別に何の凄いところも無い平凡なカブトムシの血統ですが、やはり自分が捕まえて育てていると愛着が湧きます)
そんな思いで今回のセットを組みました。(これ、組んだとは言えないかもね)
幼虫・蛹飼育に使っていたクソデカ衣装ケースの再登場です。
マットも蛹化に使った時のまま。園芸用黒土と完熟マットを使っていたのでそれを四ヶ月ほど放置したものにあたります。
夏季に蓋を開けて放置していたのでマットは恐らく底までカラカラ。という事でテキトーに鍋に水を入れて上からかけておきました。テキトーな方が産むだろ多分。
そこに何の基準もなく手近なものから選んだ♀6頭と♂4頭を投入。好きに食べて交尾して潜って産んでくれ。
何せ老いぼれているので、土の量も虫の数もとにかく物量戦です。
これに投入してから二日程経ちましたが、早速三回交尾を目撃。更にうち一回は♀が既に死んでいました。やはり時間との戦いか……。
ついでにその♀は♂の交尾器が刺さったままで、亡骸を隔離する事は出来ませんでした。死骸を回収次第欠員補充という事で、新しい♀を投入したいです。
基本的に♂に捕まえられている以外の♀は潜りっ放しで出てきませんが、一回は交尾しておいてもらわないと潜っても産めないから意味無いだろ、と思ったり。
まあ昆虫ひいてはカブトムシのように繁栄の凄まじい種は、数撃って当たるようにプログラムされていると思うので、死が近い♀のすべき事はひたすら潜って産む事なのかもしれませんが。
それにしても、去年頭がおかしいくらい産みまくったので、こんな目を見るとは思いませんでした。
去年のやり方は、「羽化した事に気付かず、幼虫と蛹に使った今回と同じ衣装ケースにしばらく放置」で、それで♀が単騎だったにも拘らず60を超える幼虫を抱える羽目に。
今年は去年の過ちを繰り返さないように、野外産の種親発生を一月近く待ってからのセット、更にケースも小さかったので反対に失敗しましたね。
カブトムシ、今年の経験から、何だかんだいっぱいいてくれた方が楽しいかもなと思い始めています。もしこれで幼虫が取れたら、来年は羽化してすぐ広い場所で産ませてやろうかな。
いや、産ませ過ぎには注意したいですけどね。それにそろそろ外の血が欲しいので、野外に合わせて羽化時期を調整する必要もあるかもしれません。
そして、カブトムシ研究者である小島渉さんの著書にも、国産カブトは活動開始後早ければ二・三日で産卵を開始し、日が経つにつれて産む卵は小さくなっていく事が示されていました。
結論としては、国産カブトは活動開始からの成熟期間がほぼ無いに近いため、なるべく早いうちに卵を産ませてやるのがよいようです。
そしてこれは予感でしかありませんが、とにかく大きいケースで産ませるか、ある程度の数が取れるまではかなり小まめにマットを引っくり返して卵を取るのがいいと感じます。
いや、放っておけば勝手に湧いてくると思っていたカブトムシでこんな目を見るとは思いませんでしたが……。