カブトムシの去った林
少しばかり久々に昼間ではなく日が落ちた頃の山を見てきました。
八月も下旬に入り次々と樹液が枯れゆく中、そろそろカブトムシやクマゼミも見なくなってきています。
今年は梅雨が長引き猛暑も盆からやって来て、全体的に夏が後ろ倒しになっていた感じがしていましたが、
名古屋での虫達の発生は例年と然程変わらない日付で起きていたように見えました。
日が沈む頃の大学の裏山を登っていくと、辺りからツクツクボウシとエンマコオロギの鳴き声が盛んに聞こえてきます。
昼下がりにはまだアブラゼミが多く鳴いていますが、夕方にはもうツクツクボウシの声の方が大きいようです。
未だに樹液を出している道沿いの樹のウロを見てみると、コクワガタがペアで樹液を吸っていました。
とは言っても、ライトを当てた途端に♂だけ逃げ出して隠れてしまいましたが。♀は食事に集中です。
コクワガタにはノコギリクワガタほどの強固なメイトガードの習性は無いのかもしれませんね。
そしてその樹にはちょうど裏にもウロがあります。
七月の間や八月の上旬はカブトムシ達が表にも裏にも引っ付いていたものですが、今ではコクワガタの独擅場のようです。
一度林に足を踏み入れて裏の方を覗いてみると、隠れているものも合わせればコクワガタの♂が三匹いました。
六月からずっといるゴキブリやムカデ・キマワリなども相変わらずそこで生活しているようで、やはりカブトムシやセミのように一気に出て来てさっさと死んでしまう虫ばかりではないなと和みました。
まあコクワガタは明らかに数が増えていましたが……。以前はいても一匹かせいぜい二匹といったところだったので。
記念にというのも変ですが、折角なので♀は持ち帰ってゼリーをたらふく食わせ卵を産ませてみようと思います。
前翅の側面がスレてくすんでいるので越冬個体か産卵を済ませた個体だと思いますが、♂とイチャイチャしてましたしきっともう一回産んでくれるでしょう、きっと(強意)。
実は既に一つコクワガタの産卵セットを組んでいるのですが、百円の産卵木が細過ぎた気がして、コクワはいっぱい幼虫が欲しいので二百円のジャンボ朽ち木で並行セットしようかなと。
コクワガタなら幼虫多頭飼育も問題無いそうですし、大きくならなくてもかわいいのでね。
っていうかコクワガタは広いケースでいっぱい飼うと楽しそうです。呑気ですね。
他に、山の下の方の林の下端みたいな所にも樹液の出る大きなウロの樹があるのですが、行ってみたらオオスズメバチが三匹くらい密集していました。
あまり長くはその場にいたくなかったので、他の虫の様子は確認していません。
最後にコクワガタのいた木を再び見てみると、こちらにもスズメバチが。
変わらずコクワガタ程度しかいなかったのでそのまま帰りました。
カブトムシが姿を消す今時期はどうやらクワガタの二次発生期と言われているようで、本当に二次発生なのかはよく分かりませんが、確かにカブトムシと入れ替わりにコクワガタをたくさん見ました。
単にカブトムシとの樹液争奪戦に負けて姿を隠していただけなのではと思うのですが……。
七月以来見なかったノコギリクワガタやヒラタクワガタも見られれば、この大学でもクワガタの第二のピークがあると言えると思うので、台風が来ないうちにまた機会を窺って来てみようと思います。
(メモ:例の道の林にトラップ仕掛けました。台風はそんなに早く来ないと思うけど、来るというニュースを聞いたら早めに回収を)